確定申告の平均課税について

いよいよ来月から確定申告が始まります。
直近の2年はコロナにより1ヶ月の期間延長になっていますが、基本的には2月16日から3月15日の1か月間が確定申告の期間となっております。しかしながら還付になる申告については年明けの1月1日から受付が始まっており、我々の業界では1月から徐々に繁忙期が始まります。

1月から3月については確定申告について書いていきたいと思います。

今月は平均課税です。
ご縁があって漫画家の方の確定申告に関与する機会がございました。
漫画家、小説家、ミュージシャン、プロスポーツ選手などの職業の方は、一定の要件を満たせば平均課税による税額計算が出来ます。
これらの職業の方は、原稿料や印税、または契約金等その年によって所得のばらつきが多くなりがちです。これまではそれほど所得が多くなかったけれども、今年は急激に所得が多くなったという場合に適用できるのが、この平均課税という制度です。

確定申告は暦年課税(1月~12月の1年間)で計算します。極端な話になりますが、前々年と前年は所得が0円で今年は1,500万円の所得の場合と、3年間毎年500万円の所得の場合とでは、3年間の合計ではどちらも1,500万円の所得になりますが、税負担では超過累進税率により計算するために毎年500万円の所得の方が少なくなります。
税金は「公平・中立・簡素」でなければなりませんので、この不公平を是正するために平均課税により前年や前々年の税率を考慮したうえで今年の税額計算が出来るようになり、急に所得が増えた場合には是非活用を検討したい制度となります。

この制度どのような職業でも適用出来る訳では無く、上記に列挙したような職業(詳しくは「変動所得・臨時所得」で検索下さい。)に限りますが、今年の所得が前年と前々年の平均を超える場合には、「変動所得・臨時所得の平均課税の計算書」を確定申告書に添付することにより、平均課税を適用することが出来ます。

該当しそうな方は平均課税を検討いただいた上で、確定申告をして下さい。