令和8年度税制改正大綱について②

2026年になりました。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

前回に続いて、令和8年度税制改正大綱を取り上げてまいります。

まずは所得税について、メインの基礎控除の引き上げは新聞等でも解説されると思いますのでここでは割愛して、個人的に気になったトピックとして使用者からの食事支給時に非課税とされる額が大幅に引き上げられました。
会社が従業員に対して食事を支給する場合には、従業員側は経済的利益を受けるため給与として所得税が課せられますが、①従業員が食事代の半分以上を負担している事、②会社の食事負担額が一か月当たり税抜き3,500円以下である事、この2つの要件を満たせば所得税を課さないというルールがあります。
長らくこの3,500円という金額は据え置かれてきましたが、今回の改正でこの食事支給の非課税限度額が7,500円と大きく引き上げられます
また上記は食事を支給する場合ですが、深夜勤務者に対して夜食として金銭を支給する際も非課税限度額がありこちらも併せて見直されます。これまで1回の支給額が300円以下であれば所得税はかからないようになっていましたが、改正により1回の支給額が650円以下までは所得税がかからないようになります。
昨今従業員の福利厚生に力を入れている会社が多いように感じますので、この改正は抑えて欲しいと思います。

次に法人課税について、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例が見直されます。減価償却資産は資産に計上して毎年減価償却を行うのが基本ですが、この特例は取得価額が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、年間で合計300万円未満であればその取得価額を損金に算入できるという制度です。今回の改正で30万円未満の取得価額が40万円未満に引き上げられました。総額の300万円までという金額に変わりはありませんが、その範囲内であれば取得価額40万円までは全額取得した際に損金として計上することが可能になります。ただし従業員数が400人を超える法人は除外されます。

上記以外に実務上知っておきたい点として令和9年1月より防衛特別所得税が創設されます。所得税に対して1%の税率を乗じて計算し、課税期間は令和9年以後当分の間とされていますので現時点でいつまで課されるかは決まっていません。
現在復興特別所得税として所得税に対して2.1%が課せられていますが、これを1.1%に引き下げ代わりに防衛特別所得税が1%課されるので、全体で見ると負担する税率は2.1%のままで変わりませんが、課せられる税金の内訳が変わるようになります。