確定申告期間に入りました。
我々の業界にとって最繁忙期となります。私自身も既に1か月程前から曜日の感覚が無いような状態になっておりますが、それでも毎年何かしらの新しい気づきや学びもあり、忙しくさせていただいていることに感謝をしながら黙々と確定申告を行う日々です。
さて、高市首相が食料品の減税について意欲的な姿勢を示しています。
給付付き税額控除を実施するまでの2年間の措置として、食料品の消費税をゼロにするという法案で、今月行われた衆議院選挙で自民党が圧勝したこともあり今後どうなるのか気になるところです。
消費者にとって食料品の消費税が0円になればそれは素直に有難い事に感じると思いますが、事業者の立場になると色々な問題が考えられます。
消費税は預かった消費税と支払った消費税の差額を納める仕組みになっています。預かった消費税の方が多ければ納付となり、逆に支払った消費税の方が多ければ還付となります。
例えば町の中華屋さんを想定すると、まずお米を100円で仕入します。その際、お米は食料品なので軽減税率になり108円(内消費税8円)を支払います。そしてチャーハンにしてお店で200円で提供します。その場合は標準税率になり220円(内消費税20円)の売上となりますので、預かった消費税20円と支払った消費税8円の差額の12円を納税するようになります。
もし消費税が0円になった場合、食料品購入時に支払った消費税は0円、対して売上時に預かった消費税は20円となりますのでそのまま消費税の納税額も20円となり、消費税の負担は倍近くになるのではという問題が考えられます。さらにそもそも食料品が0%ならばわざわざ10%の消費税を払って外で飲食してくれのかという懸念もあるでしょう。
さらに足を踏み入れて考えるのは消費税0円は非課税取引なのか、免税取引なのかという点です。
消費税がかからない取引としては非課税も免税も同じですが、支払った消費税の計算が変わってきます。
非課税取引は消費税を課さないという取引ですので、食料品の消費税は0円になります。そのため仕入時に支払った消費税も0円で料理を提供し売上時に預かった消費税のみを認識するようになります。(上記の中華屋さんのケースです。)
一方の免税取引は一定の要件を満たせば消費税を免除するという取引で、国際取引などを対象としています。この免税取引であれば販売時には預かった消費税が免除されますが、支払った消費税は計上可能です。そのため今度は農家の方で想定すると、お米の販売は食料品として消費税が免除され0円で預かった消費税も無し、一方で資材の購入などに要した分の消費税は計上できるため支払った消費税の方が大きくなり、消費税は還付されるようになります。
それぞれ消費税の負担と販売価格のバランスが不釣り合いになってきます。
このように立場が違えば様々な問題が発生してきますので、相応の対策も必ず必要になってきます。これは決して簡単ではないと考えます。
このような所の対策も含め消費税0円については注視したいと思います。


