税を考える週間

毎年11月11日から11月17日の1週間は「税を考える週間」となっています。
認知度は低いかもしれませんが、この1週間は国税庁が中心となり、地方自治体や我々の税理士会も講演会や作文の表彰等の広報活動を通して、税についての理解を深めるためのイベントを全国各地で行っています。
この税を考える週間は、今から70年前の昭和29年に「納税者の声を聞く月間」を設けたことがきっかけとなって始まっていますので実は長い歴史があります。
今回は改めてですが税金について一緒に考えたいと思います。

税金の使い道は社会保障・教育・医療・公共事業など私達の生活のために様々な形で使われています。
税金がある生活というものが当たり前となっているため普段実感はないかもしれませんが、もし税金がない生活だったらどうなるのでしょうか。
子どもは学校で教育を受けられず、医療・年金・介護など困ったときに頼れるものはなくなります。警察官や消防車もなくなり安全に暮らすことが出来なくなり、道路や水道の整備も行われずに、ゴミ収集車も来ないため不衛生な生活になってしまいます。
このように税金が無い生活を考えると、税金は大事であると再認識できると思います。

税金はみんなの生活のために必要ですが、是非ともたくさん納税したいという奇特な人はあまりいません。
ではそもそもなぜ税金を納めないといけないのでしょうか。
それは日本の憲法で定められているためです。憲法では国民の自由や権利を保障している一方で、国民の義務を定めています。
三大義務と言われますが、その1つが納税の義務です。

それと同時に憲法の三原則の1つ、基本的人権の尊重として、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(生存権)があり、それを根拠に生活に苦しい人は税金を納めなくていいですよという今般話題の103万円の壁というものが設定されています。

憲法に定めらている国民みんなが健康で文化的な最低限度の生活を営むための会費、それが税金です。

税金は公平であり、中立であり、簡素である必要があります。
ややこしいイメージのある税金ですが、分かりやすく伝えられるように私も常にインプットとアウトプットを繰り返し、税金を通して少しでも良い社会になれるようにその一翼を担っていきたいと思います。
そして様々な立場の納税者から集めたこの大切な会費(税金)を、是非有効に活用して欲しいと切に願っております。