国税庁では、「我が国の法人企業について、資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積り、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすること」を目的として、昭和26年分から毎年会社標本調査を行い公表しています。
私も経営者の方達と情報交換をするうえで参考にしているデータですが、最新の令和4年度分の調査結果が今月20日に公表されました。
令和4年度分の調査結果によると、調査の対象となる法人数は291万社で10年連続で増加しており、資本金階級で分類すると資本金1,000万円以下の法人の増加が目立ちます。逆に資本金1億円超の法人は毎年少しづつ減少しており、これは資本金1億円以下の法人に適用される税制の優遇を受けるために減資をしている法人が増えているという状況を表していると思われます。
その291万社のうち利益を計上した法人が113万社(39%)で、欠損法人が178万社(61%)となっています。
利益計上法人は読んで字のごとく黒字決算法人という事ですが、欠損法人は単に赤字決算法人の他に所得が発生しても過去の繰越欠損金を控除した結果所得が0となる法人も含んでいますので、調査対象法人のうち法人税を納めている法人が39%で法人税を納めていない法人が61%と読み替えると分かりやすいかもしれません。
この法人税を納めていない法人の割合ですが10年前は70%を超えており、毎年少しづつ減少を続けています。
291万社合計での営業収入は1,722兆円で過去最大の収入金額となっています。令和元年、令和2年とコロナの影響により2年連続で営業収入が前年対比でマイナスとなりましたが、令和3年は増加に転じ今回の令和4年は前年から244兆円と大きく営業収入が増加しました。
つい数日前も国の一般会計税収が70兆円を超える見込みとの報道がありましたが、このように企業の好業績により法人税の税収が増えていることも大きな要因となっています。
業種別に細かく区分されて公表もされていますので、ご自身の業種はどのような状況にあるのか気になった方は是非国税庁のホームページもしくは「会社標本調査」で検索して調べてみて下さい。